株式会社アーレスティはアルミダイカスト製品の鋳造・加工・金型・地金といった高度な技術が必要とされる生産を一気通貫で行っている。高品質な生産を保つためには安定した生産ラインの維持が必要不可欠であり、トラブルの迅速な発見と復旧が可能な体制の構築は急務だ。今回、工場のネットワークにおけるリスクマネジメントの一環でSolarWindsを導入した背景と運用状況について、株式会社アーレスティITシステム部情報システム課インフラグループの山本氏にお話を伺った。
SolarWindsを活用して障害検知、復旧時間を大幅削減
-現在どのようにSolarWindsを運用していますか?
国内4拠点でSolarWindsを活用してネットワーク監視を行っています。ネットワーク上で異常があればアラート通知が来て、どこに問題が発生しているのかビューワー上で確認できる仕組みです。
これまではネットワークの障害が出ると以下のような手順で対応していました。
①まず現場から障害報告が上がる
②管理部門の担当者が構成図を持って現場に向かう
③どこに異常が起こっているのか確認をする
④原因となっているであろう箇所を検証する
⑤そこに原因がなければ構成図を見ながら検証を繰り返す
現場から報告が上がらないと、そもそも管理部門でも異常が起こっていることを知ることができませんでした。また、報告が上がってから復旧するまで工数も多く発生するため、復旧までの時間も労力も膨大でした。SolarWinds導入後はネットワークの異常を検知するまでにかかっていた時間や復旧に要する時間を大幅に削減できました。
ネットワーク監視でシステム化の推進に伴うリスクを管理
-導入の背景を教えてください
当社ではこれまでアナログだった業務や運用のシステム化を、ここ2〜3年で一気に進めてきました。紙で管理していた在庫管理業務を2018年にシステム化したのが代表例です。当社のような生産拠点を多く抱える企業で業務がシステム化できれば、業務効率化の恩恵は計り知れません。
その一方で、全てがシステム化されることで、ネットワークに万が一トラブルが発生した時のリスクは増大しました。ネットワークが止まるとシステムが止まり、あらゆる業務に影響が出てしまいます。
とはいえ、運用をしていれば何かしらのトラブルはつきものです。早く検知して早く解決するにはどうしたらいいかというところで、ネットワーク監視ツールを導入しようという動きになりました。また、今後工場の機器設備のIoT化を進め全てをネットワークにつなぎたいというビジョンもあったので、先々のことを考えてリスク管理をしていこうという狙いもありました。
SolarWindsで見える化に成功。視認性が高い画面も魅力
-SolarWinds導入後はどのような成果を感じていますか
導入後に大規模な異常というのは発生していないのですが、各工場の担当者からは見える化ができたというところを評価してもらっています。 これまでは異常が起こってもすぐにはわからず、管理部門に連絡して構成図を持ってくるというところまでで、すでに時間がかかっていました。今はネットワーク管理部門も現場も異常が発生すればすぐに知ることができ、異常が起こっている箇所もわかります。 異常が発生したことも発生箇所も見える化できたことで、現場で解決できることが増え管理部門が出張る必要がなくなったのは大きい成果だと思います。
-SolarWinds導入にあたって他社のツールとの比較もされたと思います。決め手を教えてください
見やすい画面と多様な機能が決め手になりました。特に画面に関してはネットワーク管理部門も各拠点も見やすい画面にカスタマイズすることができましたし、普段は特別操作をする必要がありません。ネットワークに異常が起こればアラートメールで通知が来ます。メール記載のURLをクリックするとSolarWindsの画面で状態が見られるという流れです。
どこで問題が出ているかはビューワーに表示されるアイコンで確認できます。また拠点のアカウントとマップが作ってあるので、各拠点は自分の工場だけを確認できますし、管理部門は全工場の状況を把握できます。アラートについて誰かが確認をしたかどうかも画面上で確認できるので、対応状況を追うことも容易です。
-どのような準備が必要でしたか
拠点に作っていたネットワークの構成図をマップデータにする作業と、監視する対象機器を確認する作業が必要でした。こちらは1ヶ月程度で完了したのでそれほど負担にはならなかった印象です。
今後もアクシスのサポートで効果的な運用を成功させたい
-SolarWinds導入にあたって株式会社アクシスのサポートはどうでしたか
海外のツールということでもともとマニュアルが英語しかなく、導入当初は設定等で苦労した部分があります。アクシス様のサポートを受けながら一個一個不明箇所を聞きながら設定や操作を進めていきました。 また、SolarWinds公式のカスタマーサポートに問い合わせた際、海外企業ということもあって問い合わせの返信がなかなか来なかったり、回答に納得できないことも多かったです。そんな時にアクシス様にフォローをしてもらえて助かりました。
-今後SolarWindsで実現したいことと株式会社アクシスに期待することがあればお願いします
今後は不正検知機能についても活用していきたいです。一元的に他のネットワーク上の状況が目視でき操作ができることで、ネットワーク上のリスクを今よりさらに下げていければと思います。このシステムでネットワーク監視、不正検知全てを賄えれば最高です。
SolarWindsは非常に多くの機能がついていますが、たくさんある機能の中でこれを使えば求めることが実現できるというマニュアルや事例集があればより活用が進むと思います。アクシス様にはより効果的な運用を成功させるためのサポートを期待しています。
【企業情報】
会社名:株式会社アーレスティ (英語名: Ahresty Corporation)
従業員数:単体 833名(2022年3月31日現在) 連結 5,938名(2022年3月31日現在)
事業内容:ダイカスト製品、アルミニウム合金地金、フリーアクセスフロアパネル、ダイカスト周辺機器の製造
東京本社:東京都中野区本町2-46-1中野坂上サンブライトツイン5F
URL:https://www.ahresty.co.jp/
1975年1月設立のサントリーマーケティング&コマース(以下、SMC)様はサントリーグループ製品のプロモーションを手がけた実績と長年の酒販店・飲食店との取引により培ったノウハウを基に、企業とお客様をつなぐマーケティング支援企業です。
〈話を聞いた人〉
サントリーマーケティング&コマース株式会社
販促事業部 デジタルマーケティングG デジタルコミュニケーションT 野々山 萌様
販促事業部 デジタルマーケティングG デジタルコミュニケーションT 瀬田 浩大様
株式会社アクシス 営業推進1部 部長 宮川 英里
株式会社アクシス サテライト4部 1課 課長 細谷 恵里
株式会社アクシス サテライト4部 1課 芝田 朋輝
〈お客様の課題〉
- 労働者派遣法改定で派遣社員の雇用期間に制限ができ、サービス品質の担保が難しくなったこと
- 紙から、Web・SNSを活用したキャンペーンの対応が必須になり、知見のある人材の確保が急務
- 採用コスト、教育コストの削減とキャンペーン数の拡大に向けてアウトソーシング化を検討
〈導入の効果〉
- 業務のアウトソーシング化により、キャンペーン企画はスタート時より3.2倍に増加
- Web、SNSを活用したキャンペーンに対応し、毎年200以上のキャンペーンを実現
- 多種多様のキャンペーン実施で、売上201%増に貢献
〈導入ソリューション〉
- アウトソーシング化に向けたスキームの確立、マニュアル作成から参画
- キャンペーン企画の再現性を経験あるシステムエンジニアが事前に調査、検証を実施
- キャンペーンサイト制作に特化した、ワンストップの専属チームを編成
アウトソーシング化のスキーム作りとIT知見を兼ね備えていたのはアクシスだけでした
当時、SMC様ではキャンペーン企画とキャンペーンサイト制作の進行管理を派遣社員が担っており、労働者派遣法改定により、長期間継続して担当する人材の確保、サービスの品質担保と加速するキャンペーンのSNS・Web化に対応可能なITの知見がある人材獲得という課題がありました。その課題解決策として、SMC様では業務のアウトソーシング化を検討し始めたタイミングでした。
最初はコールセンター業務の相談でしたが、アクシスがWEB制作チームを立ち上げた時期でもあったことがきっかけで、キャンペーンサイトのアウトソーシング化について相談がありました。担当の宮川は当時を振り返り「アクシスのWEB制作は後発でしたが、アウトソーシングの仕組み作りから一緒に伴走できるパートナーを探していたSMC様にとって、そのことが逆にプラスでした。」と言います。
SMC様では本案件が初めてのアウトソーシング業務であり、法律上の課題解決や、社内のスキーム作り、マニュアル作成など、必要な準備を1つ1つアクシスと共にクリアにし、体制を整える形で本プロジェクトがスタートしました。
IT企業で、経験豊富なシステムエンジニアが在籍していること、システム開発、WEBディレクション、デザイナー、コーディングと1社でSNS・Webキャンペーンにかかる全業務アウトソーシングできることは、アクシスのソリューションを導入いただく決め手の1つとなりました。さらに、アウトソーシングを実現するためのフロー作りから、一緒に考えられるパートナーを探していたSMC様にとって、BPOセンターを有し、システム導入サポートの実績をアクシスが有していたことは他社にない特徴だったと宮川は考えています。
SMCのマインドを共有するパートナーと課題をクリアするチームに
当時4名だったアクシスの担当チームは16名にまで規模を拡大。事業部として今期スタートしています。SMC様のキャンペーンサイト企画の実現性を社内のシステム担当と事前調査、検証するシステムエンジニアがSMC様に出向し、東京にディレクションチームを、鳥取本社に制作チームを配置しています。ディレクションチームはキャンペーンサイトの内容、構成、コンセプト、進行管理を、制作チームはディレクションチームと連携し、デザインの提案、コーディングの実施、検証までを担い、年間120を超えるキャンペーンサイトが実現しています。
キャンペーンの開始時期はあらゆるメディアで開始前から全国で広く告知されるため、正確なスケジュール管理と締切厳守は、最低限かつ最大のミッションです。東京・鳥取という現実的な距離のある中で、締切厳守を実現するため1日3回を超える進捗確認とタスク確認、さらに1~2週間先のタスク管理を実施しています。また業務遅延を防ぐための「伝えるルール」が存在するとディレクションチームのリーダー細谷は言います。そして、その細かいやり取りの根底にあるのが「お客様目線を忘れない」というメンバー共有のマインドです。
「お客様」とはキャンペーンの開始を楽しみにしている一般のお客様を指しています。SMC様と共に、親会社であるサントリーホールディングス株式会社の各企業、各ブランド、商品を生み出す全ての人の想いを「お客様に届どけたい」、その想いでキャンペーンサイトの制作が進んでいます。
「アウトソーシング化の段階から関わってきたことで、「パートナーとして、信頼関係を築けていると感じています」と宮川はこの7年間の変化について話しています。アウトソーシング化により、採用の課題はもちろん、社員が相互に出向することで育成の機会も創出するWin-Winの関係性が築かれています。
「お客様目線」と「品質担保」をミッションに新しいチャレンジを続けていきたい
2020年より本事業を担当する野々山氏、瀬田氏の今後の動きやアクシスに期待することについて話を聞いた。
「より多くのお客様にキャンペーンにご参加いただけるように、キャンペーンのWeb化・デジタル化に引き続き力を入れていきたいですね。今も紙のキャンペーンが存在しており、ゼロにすることはありませんが、少しずつWebに切り換えることで、お客様により参加しやすいキャンペーンを提供していきたいです。私どもにとってアクシスさんの強みは内製システムを理解し、共に試行錯誤し、提案をいただきキャンペーンを実現できることです。今後もこの関係を続けることでより良いキャンペーンを実施していきたいですね。」(野々山様)
「現在SNSを活用したキャンペーンを実施しています。その実現にあたっても多くの提案があり、そのスキームを共に作ってきたと感じています。急速なデジタル移行に伴い案件が急増する中で、これまでにない課題も少なからず出てきますが常に「お客様目線」を大切に、互いに改善案を提案し、実現していきたいです。」(瀬田様)
お2人の話を受けて、キャンペーンサイト構築に携わる細谷は「品質担保を念頭に、各商品やブランドでカスタマイズ可能なサイト制作や開発においても新しい提案を続け、リードタイムの削減とキャンペーンの拡充にも貢献していきたい。」と話す他、共にディレクションを担当する芝田は「キャンペーンを心待ちにされているお客様の声、反応を真摯に受け止め、より良いキャンペーンサイトを目指して進化を続けていきたい。」と今後のキャンペーンサイト制作に対する想いを語っていた。
SMC様とアクシスが「パートナー」としての関係性を築いてきたことで、その業務範囲はキャンペーンサイトの制作以外に広がりをみせています。それ対して、宮川は「期待にお応えするのはもちろんですが、事業に貢献できるパートナーとして品質向上に務めていきたい。」と想いを新たにしています。
【企業情報】
会社名:サントリーマーケティング&コマース株式会社
従業員数:172名(2022年3月1日現在)
事業内容:酒類関連備品販売(酒販店様・飲食店様向け)
企業の販促支援・代行 (キャンペーン企画・景品提案・配送・事務局運営等)
酒類の通信販売
本社:東京都中央区晴海1丁目8番12号
晴海アイランド トリトンスクエア オフィスタワーZ 31階